「ふりかえり」のためにきちんと観察をする
楽してよりよい成果につなげるためのコツを心がけとしてパターン・ランゲージ風に整理してみようと思う。 まずは1つめ。
要約
きちんとふりかえるために、きちんと観察しよう。
状況
毎週チームでふりかえり会を実施している。あるいは、個人的にふりかえりのための時間を持つようにしている。
問題
出てくる問題がなぜ問題なのかが共有されず、言い争いのネタになったり、解決されず放置されたりする。その結果、問題を言わなくなる。
出てくる学んだこと・工夫がどんな問題を解決するのかが共有されず、使いどころがなく放置される。その結果、工夫したことを言わなくなる。
感想を言い合う場になり、そこから何かを学びとれる人が少なくなる。その結果ふりかえりが何も生まない様に感じ取られるようになり続ける意味を失い始める。
フォース
私たちのバックグラウンドはそれぞれ違うし個性がある。どんなことが問題かとかどんな状態になると心地よいかはひとそれぞれ。お互いに考えていることはすべてわからない。それがすれ違いを生んでしまう。
また、私たちは自分自身の感情にも振り回され、事実を都合のよいように解釈をしがちである。感情的に次の行動を選択した結果後悔してしまうということはよくある。
解決方法
広げて観察しよう。
図では、一般的にふりかえりの場で出そうなところをピンクにしている。広げて観察するために、白いボックスの中身も併せて思い出しながら書き出してみよう。
問題は、今私たちの身の回りで起こっていることの結果発生してしまう自分にとって心地わるいこと。
解決策や工夫を実行するのは、問題が解決された状態を達成することを目指しているはず。
解決された状態は、今私たちの身の周りで起こっていることに、解決策・工夫を加えるから到達できるのだし、到達するためにはうまくいくための根拠があるはずだ。
さらに、こうしたことを少し俯瞰で観察してみると、次にやることがみつかるかもしれない。
結果状況
私たちが陥っている本当の問題がみえてくるかもしれない。今実際に身の回りで起こっていることがどんな問題の兆しなのか?に注目することができる。そうすると、その問題は今対処すべきことなのか?どれくらいのインパクトがありそうなのか?いろいろな検討のベースになるだろう。
私たちが取ろうとしている解決策にどんな意味があるのか、どれくらいの確率で成功しそうか?がみえてくるかもしれない。今取ろうとしている解決策がどんな未来を目指しているのか?に注目することができる。そうすると、それは私たちの現状につながっているのか?私たちの現状にその解決策を入れると、なぜ目指す未来につながるのか?いろいろな検討のベースになるだろう。
私たちがすれ違ったり問題を取り違え誤った解決策を選択したりするのは、いま私たちの身の回りで何が起こっているのか?とか、私たちはどうなりたいのか?とか、なぜそれがうまくいくのか?といった図で言う白いボックスの中身がきちんと語られていないからではないだろうか。いやどこかで語られているのかもしれない。でも、それをわかっている・共通認識だと思い込み未来を考える最中にどこかに置いてはいないだろうか。
まとめのようなもの
今回はふりかえり、もうすこしいうとKPTを題材に補足をする。という場面を想定して、心がけを書いてみた。でもこれはふりかえりやKPT以外のフレームワークでも使えるかもしれない。少し広げて観察してみると何かいいことがあるかも。
参考図書
図に使ったボックスや矢印や黄色いやつでの表記ルールは、「教育のためのTOCの3つの道具」を参考に。
- 作者: 岸良裕司,きしらまゆこ
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パターン・ランゲージについてはいわゆる「行為のパターン・ランゲージ」を参考に。
Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン
- 作者: Mary Lynn Manns,Linda Rising,川口恭伸,木村卓央,高江洲睦,高橋一貴,中込大祐,安井力,山口鉄平,角征典
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パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語 (リアリティ・プラス)
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